M-1グランプリ2016
アキナ
大人しそうに見えて東西あらゆる賞レースの決勝に進出しまくっているコンビ。今回はTHE MANZAIで披露した大喜利的な漫才ではなく、ソーセージ時代に得意としていたマセた子供のコント漫才。 ボケの山名の声のトーンで笑ってしまう。トップバッターとしてはなかなかの高得点をマーク。
カミナリ
今回のファイナリストの中ではダントツの新顔。こんなに全力でボケを否定するツッコミも珍しい。別の番組で初めて観た時は笑ったと同時に怖さも感じたのだけど、何回も観てると茨城弁のおかげか愛らしく見えてくる。上沼さんも数回観たら印象変わったんじゃなかろうか。去年でいうメイプル超合金みたくなりそう。
今までは男女の立ち話的な漫才スタイルだったのが、山添の動きにケイさんがナレーションをつけるスタイルに。野球を題材に選んだのは男性審査員対策だろうか。結果は女性の上沼さんのみ90点台をつけるという予想通りの結果に。しかしネタのクオリティ自体はとても高く、他のコンビとの相対評価で負けてしまった印象。
寧ろまだ優勝してなかったのかという。1本目は「ドレミの歌」という題材のありがちさを掻き消す程の内容で爆笑をさらった。橋本のツッコミが相変わらずフルスロットルで、動物のくだりでは一つのボケに対し3つの例えツッコミを入れるしつこさ。一方で2本目では話題が変わる度流れがリセットされる感覚があり、漫才を通しての増幅する笑いは少なく、橋本のツッコミも比較的大人しく見えた。もしかしたら橋本がガンガン前に出る1本目と鰻のアホっぷりを全面に出した2本目で幅を見せたかったのかもしれない。
2010年M-1で超スローテンポ漫才という新たなスタイルを引っさげ視聴者の度肝を抜いたコンビ。ここの凄いところは1ボケ1ボケの殺傷能力の高さ。「家族のトーナメント表」というボケは今回の全ネタの中でもトップクラスの強度だった。
ハライチ
本人達の代表作であるノリボケ漫才のイメージをどう打破するかで苦心している印象。RPGを一度でもプレイしたことがある人ならばあるある的に笑えるネタだが、それ以外の部分はやはり澤部の表現力頼みになってしまう。寧ろどんなネタであろうと一定の笑いを保証できる澤部の安定感を再確認する形になった。
THE MANZAI、M-1共に決勝進出経験があり、その度に面白いネタを披露していたのだがイマイチ爪痕は残せていなかったコンビが遂に最終決戦まで進出。田中が一人でコントを演じ、それに対して武智が外側からツッコむというスタイルをとっているが、今回はそのスタイルを上手く利用した叙述トリックで構成の上手さを見せつけた。2本目は割とオーソドックスなボケを畳み掛けるタイプの漫才だったが、会場はかなり盛り上がっていた。やはりこの形式が一番爆笑をとりやすいのかもしれない。
キングオブコントではすっかりお馴染みだが、すごく面白い漫才を作るコンビでもある。「能やん」「能なん!?」「たぶん能やん」の活用形が気持ち良い。ワンアイディアで推す形式はコントではよく用いられるが、漫才では色んなボケを詰め込む方が主流なので、あまり有利ではない中4位に食い込んだのは立派。
和牛
敗者復活枠。これまでは水田の理屈屋な面を押し出した漫才を得意としていたが、今回披露した2ネタは水田の終始ズレまくった言動に川西が彼女目線でツッコむ、割合とポップなもの。ボケの発想や喋りの達者さに加え演技力も高いという正に死角無し。視聴者や芸人によるM-1の感想を見ると、その多くが川西のツッコミの実力に言及しており、今大会で一番評価を上げた芸人と言えそう。
最終決戦は大会始まって以来の大混戦。個人的には和牛が優勝だったが、しゃべくり漫才を貫き通した銀シャリに軍配が上がった。3組とも全国区ではまだ有名とは言えないので、これを機にまとめてブレイクして欲しい。
KYO-ICHI 感想
今年の27時間テレビ内でも放送されたお笑いトーナメント大会の第2回。前回はいきなり無名の若手漫才師・ミキが優勝という大番狂わせだった。
Aブロック
去年M-1でもやった「太らせる」。ここはどんなネタでも一定のウケを獲れるのが強み。ネタ自体は基本言葉遊びで、漫才の掛け合い的な物は少ないのでそこが引っ掛かる人はいると思う。個人的にはそれまでツッコミだった山本が途中からキャラに入り「痩せさせる」流れになるのがちょっと冷めてしまう。
ライス
キングオブコント2016王者。彼らの代表作である「バナナ」を披露するも、最後の最後で関町が噛んでしまうというミス。ネタはちょっとメタ的な視点を持ち合わせたシュールコントで面白かった。でもどちらにしてもタイムマシーン3号には勝てなかったかな。
煽りVの久保田「ライスの上にとろぶっかけてやりますよ」w久保田のクレーマーぶりが炸裂するネタ。去年のM-1の敗者復活戦でトレンディエンジェルに惜敗して以降テレビでネタを見る機会が多くなったコンビなので、何かしらで報われて欲しい。
患者が医者のハゲデブチビメガネをいじり倒すコント。また軽くクレームが来そうなネタをwネタが終わってから4組が並んだ時、ちょうどデブメガネが3人並んでいたのに笑った。
タイムマシーン3号勝ち上がり。
Bブロック
料理教室。実際にこういう人がいたんだろうなーと思わせるディテールの細かさ。どのネタをやってもクオリティが高いんだけど、初めて世に出た時の音楽の先生ネタを超える衝撃はまだ無いかなーという感じ。
ツッコミを先に言ってからボケを言う大喜利的な漫才で、これもタイムマシーン3号と同様漫才と捉えていいのか微妙なラインのネタだが、そもそも漫才の大会では無いから関係無いか。
ニッチェ
最初に江上があのメイク、セーラー服、検尿らしき紙コップを持って出て来た時点で反則。ビジュアル的なインパクトは抜群だったが、やはり題材が汚かったか。
ZAZY
いつもはピンクの衣装だが今回は何故かグリーンの衣装wしかもエンディングではピンクの衣装着てるしwそしてネタの内容が衣装と何の関係も無いというのが良い。港のヨーコ・ヨコハマ横須賀のメロディーに乗せて「無い無いネタ」を披露。面白かったけど、以前やってた独自のリズムに乗せて不条理な紙芝居をするネタの方が独創性があって好きだった。
笑撃戦隊勝ち上がり。
Cブロック
ダイアン
しゃべくりでは無く、完全にコントの世界に入ってやり取りする漫才スタイル。強いキャラやテンポの良さでは無く、西澤のボケのセンスのみで勝負しているのが潔い。津田の振り回される演技も上手い。こういうコンビはもうちょっと評価されて良い。
最近勝負ネタとしてよくテレビで披露しているパワースポットのコント。着眼点がとにかく良い。さらばは森田ツッコミのネタの方が面白いと思っているけど、このネタに関しては森田ボケで正解。ただ悲愴感強過ぎて観客がマジで同情してしまってた感がw
錦鯉
バイきんぐ、ハリウッドザコシショウ、だーりんずなどの遅咲きの芸人を多数輩出しているSMAからの新たな刺客。長谷川の年齢に見合わない元気なボケと、サンドウィッチマン・伊達や東京ダイナマイト・ハチミツ二郎を彷彿とさせる久保田のツッコミのコントラストが良い味を出している。今年のM-1の準決勝にも残っているので頑張って欲しい。
タイムリーなドナルド・トランプネタ。トランプの差別発言を模した千葉や埼玉ディスが皮肉が効いてて良い。やりっ放しではなくちゃんと伏線が回収されたりして最後まで楽しませてくれる。だいぶ前からだけど最早賑やかし要員では無くなっている。
レイザーラモン勝ち上がり。
最終決戦
客ウケは抜群に良いけど同業者からのウケは悪いというお笑い界のヒール的な役割になりつつあるコンビだったが、2本目のネタは言葉遊びや関の器用さを全面に出したネタではなく、純粋なしゃべくり漫才で凄く面白かった。メガネという題材でここまで話を広げられるのは見事。文句無しの優勝。
1本目のボケツッコミ逆転ネタを童話縛りで。このネタ、事前に用意したボケを披露しているのかその場で即興で考えているのかわからないため、どう見たら良いのかわからないというジレンマが。タイムマシーン3号が1本目とは全く違うネタを持ってきたのもあって良い比較材料になってしまった。
ファッションショー。HGの肉体美もRGの高音も素晴らしい。1本目は広義のあるあるネタだったが、2本目は元ネタがわからないと笑えない箇所もいくつかあり、好き勝手やった感。
近年良いこと無しのフジテレビだが、ENGEIグランドスラムといい、ネタ番組を作ることにおいては信頼できる。たぶん第3回もあるだろう。
NHK新人お笑い大賞 感想
Aブロック
ボケの稲田の顔面がインパクト大だが、ネタは正統派。途中コントに入るタイプの漫才だったが、後に出てくるトットがもっと演技力の高い漫才コントをやっていたので比べられてしまったかも。
だーりんず
先日のキングオブコントの「童貞」ネタで物議を醸したベテラン若手コンビ。今回は全く下ネタ要素は無く、「面接攻略本を出している出版社の面接に来た志望者がその本通りのマニュアルな受け答えをする」という、ありそうで無かった設定。審査員の渡辺リーダーも言っていた通り構成が良い。自分だったらここに投票した。
トット
この中で唯一の初見コンビ。ボケの桑原が役になりきってコントに入る漫才スタイル。オカンと息子という設定はよくあるが、オカンの日常をリアリティーたっぷりに演じることで観る側をネタの世界観にグッと引き寄せた。
勝又:
いつの間にか「:」が付いていた。以前オンバトでも観たことがあるネタ。意気込みコメントでもオーバー500って言ってるしw「出勤前の朝あるある」をベースに片方が完全に顔を隠した状態で進むシュール寄りのコント。と言ってもこの手のネタの中ではかなりわかりやすい部類だったと思う。
トット勝ち上がり。
Bブロック
手作りの小道具をふんだんに使ったバイオレンスなコントが持ち味。オープニングで司会のフットボールアワーに「一般参加じゃないんですか?」とイジられるw NHKの夕方に蛇が真っ二つに裂けるネタとかやって良いのかw
Wikipediaで調べようと思ったらツッコミで元アナウンサーの西村の記事しか出てこなかったw誰か記事作ってあげて。ボケのきょんは憑依タイプで演技力が高く、はねトびのようなコント番組があったらロバート秋山的なポジションにつきそうだなと思う。
大自然
今年のABCお笑いグランプリで準優勝して以来注目を集めているコンビ。ツッコミの里の美声とマイペース過ぎるテンポの漫才が特徴で、初見には強烈なインパクトを残すタイプ。しかし今回は客層と合わなかったのかほとんどウケていなかった。ここはさっさとM-1決勝に出て売れるべき。
アキナ
昨年準優勝。10回クイズという散々擦られた題材を新たな着眼点で展開。スーパーニュウニュウや大自然の後だと物凄く正統派に見えたwかなりウケていたし、優勝できると思ったけどなー。
ラフレクランとアキナが同点で、2回目の投票でラフレクラン勝ち上がり。
最終決戦はトットvsラフレクランの演技力対決に。中国人のヤンさんのキャラ作りが上手かったトットに軍配が上がった。
トットもラフレクランもまだ世間的には無名ということもあり、フレッシュな対決となった。個人的にはだーりんずvsアキナも見てみたかった。
世にも奇妙な物語 '16 秋の特別編
主演: 黒木メイサ
主人公が高校時代の友人や教師と偶然再会することである事件の記憶が呼び起こされる。
昔の知り合いと再会するが実は相手から長年恨みを買っていて...というのがよくあるパターンだが、今回はそれを逆手に取ったような二転三転するストーリー展開で最後まで引き込んでいった。雨の日のタクシーというシチュエーションはやはり怖いし、ホラー系としては及第点。
貼られる!
主演: 成宮寛貴
やり手の銀行マンである主人公はある日を境に部下を始めとする周囲の人々からのレッテルが目に見えるようになってしまう。
「レッテルを貼る」をそのまま具現化したことにより成宮寛貴が体中シールだらけに。上着を脱いでも下の服、更には地肌にもシールが貼りついているという演出が滑稽。高慢なエリートが転落する様を成宮寛貴が巧みに演じていた。
捨て魔の女
主演: 深田恭子
何かを捨てると幸福が手に入るようになった主人公は憧れのキャスターまで上り詰めるため身の回りの物をどんどん捨てていく。
「貼られる!」と同様不思議な力を手に入れた主人公がどんどん深みにはまっていく世にもの王道パターン。こちらの方がよりホラーテイストで、深キョンの人形のような無機質さが怖さを引き立たせていた。しかしテレビ局が舞台だと色々生々しかった。
車中の出来事
主演: 北村一輝
指名手配犯を列車で護送中の刑事(杉本哲太)。そこに刑事を名乗る男(北村一輝)が現れ推理を始める。
狐の化かし合いのようなやりとりで最後まで引っ張るミステリー物。過去の作品で言うと「推理タクシー」が一番近いか。ただスリルよりもコメディー演出の方に重きを置いており、その結果少々中途半端な作品になった感じがある。北村、杉本両氏の演技はやはり良かった。
全体的にオーソドックスな作品が並ぶ中で役者の演技の良さが際立っていた。「車中の出来事」はもうちょっと面白くなったんじゃないかなーという勿体無さがあった。あと今回も割と人が死ぬ話が多かった。
キングオブコント2016 感想
毎年恒例のコントの大会が今年も開催。去年から準決勝敗退した芸人による匿名審査が廃止され、ダウンタウン松本人志、さまぁ〜ず、バナナマンによる審査形式に変更。そのためか大会の雰囲気がガラッと変わり、従来の形式が好きだったお笑いフリークからは賛否が巻き起こった。今年も基本的な番組の構造は変わらなかったが、全体としては去年よりもウケていて一安心。ただ一巡目は去年のコロチキ、ロッチを踏襲したような天丼ネタが続出し、その結果審査の決め手として順番に泣かされるコンビが多かったように思う。
- しずる
決勝進出回数は歴代最多タイの4回。ここ3年は決勝から遠ざかっており、今年の27時間テレビでも新ネタではなく過去のKOC決勝ネタを披露したりと心配に思っていたが、杞憂だった。準決勝の評判を聞いても間違いなく優勝候補だと思ったが、もっと順番が後であれば最後の5組に残れたであろうことを考えると勿体無い。ネタ自体は得意のハードボイルドな世界観に全く中身のないバカバカしさが加わり、非常にしずるらしいネタだった。
3回目の決勝進出。2011年「西岡中学校」のネタで鮮烈な全国デビューを飾り、それ以降も準決勝の常連だが2014年決勝で大敗し事実上の最下位に。普段はブラックなネタが多いが、今回は野球拳の替え歌に乗せた変化球ネタで勝負。溜口の歌唱力が素晴らしかったが個人的にはそっちに気を取られて肝心のネタの内容が全く頭に入って来なかった。会場がかなりノッていて本人達にとってもホームな状況なら爆発的にウケるんだろうなぁと思う。あと溜口の動きが日村っぽかった。
- かもめんたる (ファイナルステージ進出)
3回目の決勝進出、2013年王者。ボケのう大の冷笑的で切れ味鋭いワードセンスが持ち味のコンビ。コント師としての能力はこの中でも頭一つ二つ抜けている印象。今回はセリフよりも設定に重きを置いたネタで、特に1本目の「念」は今大会で最も発想が凄かったネタ。ただ設定の面白さを展開が超えてこなかった感。しかしこういう見る人を選ぶタイプのコント師のネタが2本も見れるというのがこの大会の良さだと思う。
- かまいたち (ファイナルステージ進出)
かつてはジャルジャル、モンスターエンジン、天竺鼠らと共に大阪吉本の若手有望株として注目され、東京のネタ番組にも出ていたが、全国的な知名度では他3組から遅れを取っている印象だった。しかしネタの実力はあり、先日歌ネタ王で優勝したばかり。今回のネタも2本とも面白く、優勝してもおかしくなかった。あの首が落ちるマジックは欽ちゃんの仮装大賞で初めて見て衝撃を受けたのだが、このネタの中では物凄い雑に扱われてたのがツボ。2本目のホームルームネタはこのコンビの代表作なので見れて良かった。あと関西の芸人だからか間が凄く上手いと思った。
- ななまがり
2年前の準決勝の模様をDVDで観て一番心掴まれたコンビ。今回のネタも個人的に一番笑った。日村も審査コメントで言ってたけど、何でこのネタを思いついてこの大会でやろうと思ったのか全く意味不明。点数こそ低かったが、異様な空気を持つコンビとして視聴者の記憶には刻まれたと思う。
- ジャングルポケット (準優勝)
2年連続決勝進出。天丼ネタが続いた中で彼らのオーソドックスなドタバタコントは非常に光っていた。今回優勝したライスと同点1位で折り返し、最後まで接戦だった。去年は会話劇中心のスマートなネタをやろうとしている感じがあったが、今回のおバカコントの方が彼らのキャラが生きていると思う。去年のロッチのように2本目で失速しなくて良かったw
- だーりんず
近年、バイきんぐやハリウッドザコシショウなどのチャンピオンを輩出し注目を集めるSMA所属。ファイナリスト中最年長。今回下ネタを扱うコントが多かったが、このネタはゴールデンではギリギリアウトだったと思う。演技力や話の運びは安定していただけに、題材がもっとフラットであれば上位も狙えたのではないかと思う。
- タイムマシーン3号 (ファイナルステージ進出)
去年のM-1グランプリでファイナリストになったことも記憶に新しく、漫才師のイメージが強い。ボケの関が器用で安定した笑いを生み出すことができるが、内容が浅いと見られ同業者からの評判は悪いらしい。今回5人の審査員がどう評価を下すのかある意味一番気になるコンビだったが、結果は大健闘。ただここが優勝してしまうと他のコント一筋の芸人達の立場が無いので、4位で落ち着いてくれて正直ホッとしている。
2回目の決勝進出。ワンシチュエーションで引っ張るネタを得意とするが、今回は他にもそういったネタをするコンビがたくさんいたため持ち味が発揮されなかった。宮澤は明らかな変人キャラよりも教師役の方が似合うと思う。
- ライス (優勝)
しずると同期でネタの傾向も似ているが、テレビ露出はかなり少なく、存在がネタバレしていなかったことが少なからず今回の優勝に影響したと思う。2本目は「ウェイターに水をこぼされてお漏らししたみたいになっちゃう客」という設定で行くのかと思いきや、それを逆手に取ったネタで華麗に予想を裏切られた。おめでとう。
1本目は似たテイストのネタが続いたので若干飽きが来たが、2本目は例年のように失速するコンビもいなく、尻すぼみにならなかったのが本当に良かった。twitterでは観客の反応に対する苦言も散見されたが、個人的にはそこは目をつぶってネタを楽しみたいと思う派。まあ準決勝敗退芸人をスタジオに入れるのが一番の改善方なんだとは思う。
2016夏ドラマ 期待作品
7月から始まるドラマで視聴候補に入れている作品一覧。
遺産相続弁護士 柿崎真一(日テレ・木曜23時59分 7/7スタート)
タイトル通り、主人公の弁護士が遺産相続のトラブルを解決していく。三上博史と森川葵を見届けるために観る。
神の舌を持つ男(TBS・金曜22時 7/8〜)
「TRICK」「SPEC」の堤幸彦監督作品。「絶対舌感」なる能力を持つ主人公がその能力を駆使し各地の温泉で起こる事件の謎を解決していく。構想に20年を費やしたとのことで、あらすじを見るだけでもワクワクする。
家売るオンナ(日テレ・水曜22時 7/13〜)
不動産業界を舞台にしたスーパーウーマンもの。中園ミホが書きそうな内容だが、脚本は「セカンドバージン」「コントレール」の大石静。
はじめまして、愛しています。(テレ朝・木曜21時 7/14〜)
「特別養子縁組制度」というテーマを「家政婦のミタ」の遊川和彦が描く。遊川作品は良くも悪くも惹きつける力があり途中までは楽しめるが、最後にグダグダにならないことを祈る。
侠飯~おとこめし~(テレ東・金曜24時12分 7/15〜)
ひょんなことからヤクザの組長を匿う羽目になった大学生が組長の作る料理でもてなされ、人生観を学んでいく。「孤独のグルメ」の流れを汲む飯テロドラマ。
仰げば尊し (TBS・日曜21時 7/17〜)
高校の吹奏楽部顧問となった元サックス奏者の主人公と不良生徒達との交流を描くヒューマンドラマ。実話が元となっており、「ROOKIES」のスタッフが集結。1年前の「表参道高校合唱部!」のような夏らしい爽やかな作品になることを期待。
そして、誰もいなくなった(日テレ・日曜23時30分 7/17〜 ※初回のみ22時スタート)
順風満帆な人生を送っていた主人公が自分と同姓同名の男が逮捕されたことをきっかけにどん底に落ちていく。この枠は「デスノート」「エンジェル・ハート」など漫画の実写化でやっていくのかと思ったが、前クールの「ゆとりですがなにか」やこの作品のようなオリジナル作品をどんどんやって欲しい。ちなみにアガサ・クリスティーの同名小説とは無関係。
営業部長 吉良奈津子(フジ・木曜22時 7/21〜)
大手広告代理店に勤める主人公が結婚・出産を経て職場復帰するが、そこで様々な壁にぶち当たる。主演の松嶋菜々子は3年ぶりの連ドラ主演。脚本の井上由美子はこの枠で「昼顔」をヒットさせた経歴もあり、枠との相性は良いはず。最近のフジにありがちな「ひと昔前」の感じにならなければいいが。
オリジナル作品の多さが目立つのはいい傾向かと。個人的には「神の舌を持つ男」が面白ければ十分です。
ブラバンキッズ・ラプソディー―野庭高校吹奏楽部と中澤忠雄の挑戦
- 作者: 石川高子
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2016春ドラマ総括
いつになく良作が多かった(気がする)春ドラマ。そんな中でも出色だったのは重版出来!。漫画の編集部という地味目な題材と裏の僕のヤバイ妻との食い合いもあって視聴率はそこまで伸びなかったものの、話の作りの丁寧さ、キャラクターの立ち方、原作の生かし方は今季の中でも飛び抜けていたように思う。TBSラジオ「たまむすび」の中で映画評論家の町山智浩も絶賛してたのはそのキャスティング。豪快なタイガースファンの編集長を演じた松重豊、優しさの中に闘志を燃やすベテラン漫画家を演じた小日向文世、主人公の先輩編集者を持ち前の色気でもって演じたオダギリジョー、イヤミで現実主義な編集者を演じた安田顕、屈折した天才新人漫画家を演じた永山絢斗など、このドラマだけで助演男優賞を独占しそうな勢いだった。主人公は当初能年玲奈が演じる予定だったそうで、確かにその方が話題性はあったと思うが、これだけの個性的なキャラクター達を引き立てるという意味では結果的に黒木華が適任だった。全体的にホロッとする話が多かったが、ムロツヨシ演ずる漫画家アシスタントがメインの7話は特に泣けた。
黒柳徹子の自伝的エッセイが原作のトットてれびは満島ひかりの好演に尽きる。レトロな髪型や衣装を纏う姿はまさにお人形さんのそれだし、徹子特有の早口でピントのズレた話し方もマスター。演出面も華やかで「テレビの良い時代」を感じることができた。
火の粉はフジテレビの昼ドラ枠撤廃後の代わりの枠として深夜11時台からスタート。ノーマークだったがこれがまた面白かった。狂気の主人公を演じたユースケ・サンタマリアは言うまでもなく、それに振り回される優香、伊武雅刀、朝加真由美、大倉孝二などもそれぞれ好演。マジなのかネタなのか解りかねる迷シーンのオンパレードで回を増すごとに惹きつけられた。
ゆとりですがなにかはゆとり第一世代(自分と同い年)を主人公にその下の世代や上の世代の複雑な関係性を描いた意欲作。初回こそ宮藤官九郎らしからぬシリアス展開で肩透かしを食らったが、話が進むにつれクドカン節が炸裂し、役者の演技もどんどんヒートアップ。もともと演技力に定評のあった柳楽優弥や安藤サクラは勿論の事、強烈なゆとりモンスターを演じた太賀は今後要注目の役者。また、童貞小学校教師を演じた松坂桃李もオタク風の演技が板についており、イケメン俳優の枠を取っ払ったように見えた。
初回から最終回までずっと高水準の面白さを維持していた重版出来!が個人的1位だが、その他の作品も他クールなら1位でもおかしくないほどのクオリティだった。以下個人的作品・俳優賞。助演男優賞は候補が多すぎて迷ったが、同時期の真田丸での好演も考慮に入れて小日向文世で。
作品賞 重版出来!
主演男優賞 ユースケ・サンタマリア(火の粉)