2017年秋ドラマ期待作品
例年通り気合入りまくりの秋ドラマ。今年も引くぐらい強力な作品揃いなので、初回を観る可能性の高いものを列挙。
わろてんか(月曜〜土曜8時・NHK 10/2スタート)★★★★☆
吉本興業の創業者・吉本せいが主人公のモチーフ。この作品は何と言っても男性キャストの豪華さに尽きる。上に挙げた以外にも千葉雄大、藤井隆、大野拓朗など、とにかく女性視聴者を囲い込むことに尽力した感のあるキャスティング。宣伝スポットを見た感じだと「あさが来た」に近い印象。キャストは間違い無いし、脚本は近年映画のヒット作が多い吉田智子なので、大きな心配は無さそう。
トットちゃん!(月曜〜金曜 12時30分・テレビ朝日 10/2〜)★★★★☆
「わろてんか」に懸念があるとすればこの作品の存在だろう。以前NHKで黒柳徹子の半生をモデルにした「トットてれび」が放送された時に「これを朝ドラにすれば良いのに」と思ったが、その理想を現実にしてしまった作品。脚本は「ふたりっ子」「オードリー」と2つの朝ドラを手掛けた大石静で、おまけに放送開始日も一緒となれば、朝ドラに宣戦布告していると思って間違い無い。ハードル上がりまくってる朝ドラと比べると、フラットに観られる分トットちゃんの方が個人的には楽しみ。
奥様は、取り扱い注意(水曜22時・日テレ 10/4〜)★★★★☆
脚本: 金城一紀(「BORDER」「CRISIS」)
金城一紀が女性向けドラマ枠でお馴染みの日テレ水曜でドラマを書くと聞いた時は「水と油みたいな組み合わせだな」と思ったけど、「精霊の守り人」で高い身体能力を発揮している綾瀬はるかのアクションシーンがあるとなれば納得の企画。綾瀬はるかの可愛さとアクションのキレが両方生かされれば、かなり面白い作品になると思う。
さくらの親子丼(土曜23:40・フジテレビ 10/7〜)★★★☆☆
古本屋の店主を主人公とした人情ドラマ。あぐりもすずらんも好きな朝ドラだったので、ちょっと期待。
フリンジマン(土曜24時20分・テレ東 10/7〜)★★★★☆
出演: 板尾創路、大東駿介、淵上泰史、森田甘路、東幹久、村松利史
脚本: 根本ノンジ(「居酒屋ふじ」「銀と金」)、守口悠介(「相棒」)
原作: 青木U平「フリンジマン」
愛人教授(ラマン・プロフェッサー)と呼ばれる男が愛人の作り方を指南していくという一風変わった不倫ドラマ。
ドクターX(木曜21時・テレ朝 10/12〜)★★★★☆
出演: 米倉涼子、内田有紀、遠藤憲一、鈴木浩介、田中圭、段田安則、岸部一徳、西田敏行、大地真央、草刈正雄、陣内孝則、野村周平、永山絢斗
いつものヤツ。毎シリーズ出演者が豪華だけど、今期はもう映画並みでは?
刑事ゆがみ(木曜22時・フジ 10/12〜)★★★☆☆
原作: 井浦秀夫「刑事ゆがみ」
近年苦戦が続いているフジ木曜10枠。今期はあまり刑事ドラマが無い分、安パイに逃げてしまった感。「2人の演技は良いんだけどね...」とならないことを祈る。
コウノドリ(金曜22時・TBS 10/13〜)★★★★★
前作はほぼ毎回泣いてた気がするほど名作だったけど、同クールの下町ロケットの影に隠れてしまった感があったので、今回はもっと評価されてほしい。と言っても今回も陸王が持っていく可能性は十分あるのだけどw
セトウツミ(金曜24時52分・テレ東 10/13〜)★★★★☆
脚本: 宮崎大
原作: 此元和津也「セトウツミ」
菅田将暉&池松壮亮で映画化もされた作品。会話劇中心なので演技力が必要となるが、この2人なら大丈夫だろう。
先に生まれただけの僕(土曜22時・日テレ 10/14〜)★★★★☆
商社マンだった主人公が高校の校長に就任し、教育現場の様々な問題に直面する社会派ドラマ。気楽に観るタイプの作品が多いこの枠にしてはキャストも内容も硬派な感じ。
陸王(日曜21時・TBS 10/15〜)★★★★★
原作: 池井戸潤「陸王」
足袋業社の社長がランニングシューズの開発をするまでを描く日曜劇場×池井戸潤の盤石の作品。帝一の國、ひよっこ、過保護のカホコと今年は当たり役が続く竹内涼真がまたしても物語のキーパーソンである陸上選手役に抜擢。どんだけ売れるんだ。
民衆の敵〜世の中、おかしくないですか!?〜(月曜21時・フジ 10/16〜)★★★☆☆
前クール「コード・ブルー」のヒットで復調の兆しを見せた月9枠。役者は人気者・実力者を揃えているし、政治というテーマも悪くないんだけど、捻りの無いタイトルで損してる上に「平凡だった主婦が全く別の世界へ」という設定が「セシルのもくろみ」の真木よう子を彷彿とさせて不安。
明日の約束(火曜21時・フジ10/17〜)★★★★☆
久々の民放主演となる井上真央が演じるのはトラウマを抱えるスクールカウンセラー。前クールの「僕たちがやりました」で9時台とは思えない攻めの姿勢を見せたカンテレ枠だが、今作もなかなかヘビーな作品になりそう。
監獄のお姫さま(火曜22時・TBS 10/17〜)★★★★★
出演: 小泉今日子、満島ひかり、菅野美穂、夏帆、坂井真紀、森下愛子、伊勢谷友介
脚本: 宮藤官九郎
今最も注目度の高い火10ドラマ、今期は満を持してのクドカン作品。元服役囚の女たちがメインキャラという突飛な設定だが、これはもう女優陣の演技と会話劇を楽しむのみ。
重要参考人探偵(金曜23時15分・テレ朝 10/20〜)★★★☆☆
脚本: 黒岩勉(「謎解きはディナーのあとで」「貴族探偵」)
なぜかよく死体に遭遇してしまう主人公とそのモデル仲間を中心とした謎解きミステリー。古川雄輝が可愛いので観る。
片想い(日曜22時・WOWOWプライム 10/21〜)★★★★★
脚本: 吉田紀子(「Dr.コトー診療所」「変身」)
原作: 東野圭吾「片想い」
中谷美紀が性同一性障害の主人公を演じる。殺人事件も絡んだスリリングな作品になりそう。
TBSの3作品とわろてんかvsトットちゃん!の帯ドラマ対決、金城一紀×綾瀬はるかの化学反応が見もの。
2017年夏ドラマ ザッと感想
怪獣倶楽部 ★★★☆☆
ちょっと期待し過ぎた。「アオイホノオ」を観る前だったら楽しめたかも。
過保護のカホコ ★★★★★
今期一番楽しみにしているドラマ。高畑充希の上手さもさることながら、何と言っても竹内涼真の少女漫画に出てきそうな男の子感が最高。リアルに毒親の黒木瞳もハマり過ぎてて怖い。たくさんいる登場人物もそれぞれキャラが立っているし、遊川和彦はつくづく連続ドラマを作るのが上手い。
セシルのもくろみ ★★☆☆☆
今期ドラマでダントツ低い数字を記録しているが、そこまで酷くないんじゃ?と当初は思っていたものの、同じファッション業界が舞台&主婦を主人公としているカンナさーん!と比べてしまうと、視聴者は真木よう子より圧倒的に渡辺直美の方に共感するよなぁ。真木よう子のキャラは原作から改変してるそうだけど、今回はどうも失敗してしまったなぁという印象。
ごめん、愛してる ★★★☆☆
まんま韓流ドラマ過ぎて展開も予想できるが、役者の演技と宇多田ヒカルの主題歌が良いので観ている。長瀬が意外と役にハマっていてそこは嬉しい誤算。そして池脇千鶴の凄さを再認識。
愛してたって、秘密はある。 ★★★☆☆
キャストと主題歌は「Nのために」臭がするし、過去を知る人物から脅迫文書が送られてきたり展開が遅い所は「リバース」みたいだし、湊かなえドラマを日テレでやってみました感。小出恵介の代役となった賀来賢人は良い演技をしている。
アキラとあきら ★★★★☆
演出のクセが無い半沢直樹。日曜日観るもんねぇわーとお嘆きの方はこちらをどうぞ。
ハロー張りネズミ ★★★★☆
まったりした雰囲気で大人向け。初回こそゴールデン向けにマイルドな作りになっていたが、第3話は結構アクションシーンが本気だったり、今後尻上がりに面白くなる可能性あり。
悦ちゃん ★★★★☆
完全に朝ドラ。脚本の櫻井剛は「表参道高校合唱部!」以来注目しているが、本家朝ドラに登板されるのも時間の問題。
僕たちがやりました ★★★★☆
キーパーソンとなるパイセン役の今野(元キングオブコメディ)のジョーカーぶりが光る。できればもっと遅い時間で観たかった。
カンナさーん! ★★★☆☆
「逃げ恥」以降好調の枠だが、大して面白くなくても高視聴率を取るという朝ドラ現象が早くも起き始めた。ただ、渡辺直美が主役というだけでドラマの個性が出ており、異彩を放っている。演者は良いだけに、脚本もっと頑張れ。
わにとかげぎす ★★★★☆
有田の演技が上手いのと、本田翼が正しい使われ方をしている所が高評価。
黒革の手帳 ★★★★☆
観る予定では無かったが、武井咲がいつものアニメ声を抑えて好演している。しかしまだ23歳なのか武井咲。仲里依紗も大暴れで本領発揮。
下北沢ダイハード ★★★★★
1話2話共完成度高し。しかし二週連続でおじさんの裸。
あいの結婚相談所 ★★★★☆
育三郎による育三郎のためのドラマ。最早ストーリーどうでもいい。このままドラマ出続けていくと、彼は三上博史のポジションになっていくんだろうなと思った。
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データで見る2017年4月ドラマ
「視聴率でドラマの良し悪しを測るのはもう古い」と言われる昨今。それでは視聴率以外のデータでドラマの評価を見るとどうなるのか調べてみた。4月以降にプライムタイムに放送された地上波連ドラが対象。
まずは今期の平均視聴率上位3作。
1位 緊急取調室 13.97%
2位 小さな巨人 13.51%
3位 警視庁・捜査一課長 12.18%
見事に3作共刑事モノ。1位の緊急取調室は刑事モノという外さないジャンルに加え、天海祐希、小日向文世、大杉漣、でんでん、鈴木浩介など名プレイヤーが勢揃いしていたわけで、画面の安定感が違った。
続いてザ・テレビジョンがSNSで話題になっているドラマを独自に数値化した視聴熱。以下はザ・テレビジョンのTwitter公式アカウントで毎週発表されていたウィークリーランキングを元にした上位3作。
1位 貴族探偵
2位 リバース
3位 あなたのことはそれほど
このランキングはジャニーズタレントが出演した作品が有利になる傾向があるが、ジャニーズが出演せずともランクインした「あなそれ」はSNS映えする画ヂカラの強さが功を奏した。
続いてYahoo!みんなの感想で高評価だった作品。これは評価件数と点数が反比例する傾向にあるので、それぞれのランキングを別々に算出。
評価件数(6/29時点)
1位 あなたのことはそれほど 1293件
2位 貴族探偵 1281件
3位 母になる 1050件
点数(5点満点)
1位 ツバキ文具店 4.61点
2位 リバース 4.45点
3位 緊急取調室 4.38点
評価件数の多いあなそれと貴族探偵だが点数は2点台。良くも悪くも話題になった作品と言える。視聴率では1位の緊急取調室は点数も高いが評価件数は82件と驚くほど少ない。ネットユーザーと視聴者層が被っていないのだろう。
ちなみにツバキ文具店は325件、リバースは1022件。リバースは1000件越えでこの高評価はすごい。番組に対する信頼感が伺える。
続いて2ちゃんねるのスレッド数ランキング(6/29時点)。
1位 あなたのことはそれほど 28スレ
2位 リバース 21スレ
3位 小さな巨人 17スレ
3作共TBSだが、今期のTBSドラマはコメディーでないにも関わらず爆笑を誘う物ばかりだったのでこの結果は納得。
最後に録画率。TVガイドの公式サイトのデータを参照。以下はドラマが一気にスタートした4月第3週と終盤に差し掛かった6月第2週のランキング。
4月第3週
1位 CRISIS 公安機動捜査隊特捜班
3位 リバース
6月第2週
1位 リバース
2位 あなたのことはそれほど
3位 ボク、運命の人です。
CRISISは当初2週連続首位だったが6月第2週では5位に甘んじている。確かにTwitter上でも当初の評判はCRISISとリバースの2TOPという印象だったが、前者はいつの間にかトーンダウン。一方リバースはCRISISの王座陥落以降ずっと1位を守り続けている。裏の金曜ロードショーをリアルタイムで観てこっちを録画する視聴者も多いのだろう。
視聴率は奮わなかった「ひとパー」も当初は意外と期待値が高かったことがわかる。
途中から順位を上げた「あなそれ」と「ボク運」は物語後半の盛り上がりが共通。話の内容の面白さがモロに影響を受けるランキングと言える。
こう見ていくと逆に視聴率のランキングが異質に見えてくるのが面白い。リバースとあなそれはそれ以外のランキング全てにランクイン。自分が今期最後まで観たドラマがこの2作品だったので、この結果は嬉しい。テレビ局からすれば視聴率が全てなのだろうが、いち視聴者としてはそれ以外の楽しみ方もしたいところ。
意外に秀逸だった不倫ドラマ「あなたのことはそれほど」
「逃げ恥」「カルテット」という秀作を送り出してきたTBS火曜22時枠で4月から放送されてきた「あなたのことはそれほど」が先日最終回を迎えた。序盤は正直よくある不倫ドラマかなと思って流し見していたのだが、主人公・美都(波瑠)の不倫が夫の涼太(東出昌大)にバレた第4話から一気に面白くなり、最後まで見逃せないドラマとなった。
ちょうど同時期に同じく不倫ドラマの「昼顔」が放送されていたこともこのドラマとの比較となって面白くなっていた部分はある。昼顔は不倫カップルである上戸彩&斎藤工ペアと吉瀬美智子&北村一輝ペアを美しく描き、本来であれば被害者のはずの夫&妻は問題のある人物として描いて(上戸夫はセックスレス、斎藤妻は夫より格上、吉瀬夫はモラハラ)視聴者を不倫カップルに感情移入させようという狙いがあった。
しかし「あなそれ」は「不倫、ダメ、ゼッタイ」と言わんばかりに不倫している主人公を徹底的に頭カラッポの人格破綻者として描き、視聴者に敢えて感情移入させないという手法をとった。昼顔では8話で不倫がバレたのに対し、4話という物語の序盤で不倫をバラしたことから見ても、このドラマが不倫カップルの情事ではなく彼らへの制裁が主題であったことがわかる。
役者で言えば当初は「冬彦さんの再来」と言われるほどの怪演を見せていた東出昌大がこのドラマのメインかと思っていたが、もう一人の不倫被害者である仲里依紗の真綿で首を絞めるような演技は出色だった。以前「逃げる女」でも頭のおかしいギャルを熱演して強烈な印象を残していたが、もっとドラマで見たい女優。
また、物語の主軸には絡んでこないと思われた東出の同僚役の山崎育三郎と、仲のお隣さんで距離ナシ主婦役のしょこたんも好助演。いずれも最終回手前で感情を爆発させる演技が話題を呼んだ。山崎育三郎は「下町ロケット」以降出演作が途切れないが、これで更に見る機会が増えそう(次クールではついに主演)。
そして物語のメインのはずの不倫相手を演じた鈴木伸之がどんどん影が薄くなっていったのもこのドラマならでは。昼顔の斎藤工のように真面目だった青年が一時の過ちで...というわけではなく、元々チャラかった男が結婚してからも浮気癖が治りませんでしたというだけのことだから、妻に4発ビンタされようが、東出にストーキングされようが自業自得と言うしかない。
色気を全面に出すわけでもなく、コメディーに走るわけでもない、新しい不倫ドラマの形を見せてくれた「あなそれ」。今後もこのドラマ枠には注目していきたい。
2017年7月期 注目ドラマ
4月期ドラマが刑事モノばかりで観る前からゲンナリしたのに対し、例年であれば不作になりがちな7月期が今年は気になるものだらけ。初回を観る可能性の高い物をまとめてみた。星マークは★★★★★を満点とした期待度。
僕たちがやりました(フジ・火曜21時)★★★★☆
出演:
窪田正孝、永野芽郁、新田真剣佑、間宮祥太朗、葉山奨之、今野浩喜、川栄李奈、岡崎紗絵、板尾創路、榊原郁恵、水川あさみ、三浦翔平、古田新太
原作:
原作の漫画は未読だが、どうやら地上波では実写不可能な感じの内容らしく、深夜枠と予想されたがまさかのゴールデン。原作の雰囲気をいかに出すことが出来るかが評価の分かれ目となりそう。
カンナさーん!(TBS・火曜22時)★★★★☆
出演:
原作:
脚本:
マギー(『ブスの瞳に恋してる』『山田太郎ものがたり』『こちら葛飾区亀有公園前派出所』)
主人公の見た目も年齢もファッションデザイナーという職業も全てドンピシャの渡辺直美のためみたいなドラマ。成長著しいTBS火曜ドラマ枠なので期待。
怪獣倶楽部(TBS・火曜25時28分 6/6〜)★★★★★
出演:
本郷奏多、馬場ふみか、横浜流星、矢野聖人、加藤諒、山口翔悟、柄本時生、塚地武雅
脚本:
吹原幸太(『ファイナルファンタジーXIV 光のお父さん』)
1970年代を舞台に特撮を熱く語るオタクたちの物語。自分の地域では当分先の視聴となるが、同枠の「光のお父さん」が良い作品だったのでこれも期待。
過保護のカホコ(日テレ・水曜22時)★★★☆☆
出演:
脚本:
高畑充希が民放ドラマ初主演。遊川和彦ドラマはなんだかんだで楽しめるし、高畑充希のコメディーセンスに期待。
わにとかげぎす(TBS・水曜24時)★★★★☆
出演:
原作:
脚本:
高橋 泉(映画『凶悪』『ミュージアム』『ソラニン』)
有田主演ということで軽く見られそうだが、「逃げ恥」や「カルテット」のスタッフも携わっているため、ダークホースになる可能性あり。本田翼がハマってそうな予感。
セシルのもくろみ(フジ・木曜22時)★★★★☆
出演:
原作:
脚本:
このところ低調だったフジ木曜ドラマが久々に本気出した感がある。「最高の離婚」「問題のあるレストラン」の真木よう子、「昼顔」の吉瀬美智子&伊藤歩という、この枠と相性の良い女優が勢揃い。ファッション雑誌業界が舞台ということもあり、女同士の思惑がうごめく作品になりそう。
ハロー張りネズミ(TBS・金曜22時)★★★★★
出演:
瑛太、深田恭子、森田剛、山口智子、蒼井優、リリー・フランキー
原作:
脚本:
いつも通り攻めの姿勢の金曜ドラマ。しかし深キョン、森田剛、山口智子の並びの90年代感よ。
あいの結婚相談所(テレ朝・金曜23時15分)★★★☆☆
出演:
山崎育三郎、高梨臨
原作:
矢樹純
脚本:
徳尾浩司(『ロストデイズ』『スリル!』)
「下町ロケット」以降ドラマ出ずっぱりの山崎育三郎が遂に初主演。相方の高梨臨がシスター役というのがなんか良い。
下北沢ダイハード(テレ東・金曜24時)★★★★☆
出演:
脚本:
上田誠(ヨーロッパ企画)、えのもとぐりむ(ぐりむの法則)、喜安浩平(ブルドッキングヘッドロック)、西条みつとし(TAIYO MAGIC FILM)、柴幸男(ままごと)、根本宗子(月刊「根本宗子」)、細川徹(男子はだまってなさいよ!)、福原充則(ピチチ5)、松井周(サンプル)、丸尾丸一郎(劇団鹿殺し)、三浦直之(ロロ)
毎回違った小劇場の作家たちが送る「人生最悪の一日」をテーマにしたオムニバスドラマ。「バイプレイヤーズ」を成功させた枠らしい実験的な作品。
悦ちゃん(NHK・土曜18時)★★★☆☆
出演:
原作:
脚本:
数度映画化・ドラマ化されている小説が原作。スルーしようかとも思ったが、「表参道高校合唱部!」が好きだったので脚本家を信じて見てみる。
神様からひと言(NHK・土曜22時 6/10〜)★★★★☆
出演:
小出恵介、岸井ゆきの、三宅弘城、吉沢悠、小泉孝太郎、市毛良枝、草笛光子、段田安則
原作:
脚本:
大阪の食品メーカーのクレーム対応を通した人間ドラマ。最近「Nのために」を観て小出恵介にハマったクチなのでそれだけで観る。ドラマも面白そう。
屋根裏の恋人(フジ・土曜23:40 6/3〜)★★★☆☆
出演:
脚本:
映画『リング』の中田秀夫が監督を務めるということもあり、雰囲気作りはバッチリだろう。久々の連ドラ出演となる高畑淳子が義理の息子を溺愛するベリーダンサー役って、どう考えても面白い。
ごめん、愛してる(TBS・日曜22時)★★★☆☆
出演:
脚本:
浅野妙子(『純情きらり』『ラブジェネレーション』『神様、もう少しだけ』)
韓国のヒットドラマのリメイク。日曜劇場との相性はどうなんだろうという不安はあるが、長瀬主演ドラマは良作が多いのでこれもそうなってくれると嬉しい。
愛してたって、秘密はある。(日テレ・日曜22時30分)★★☆☆☆
出演:
福士蒼汰、川口春奈、鈴木保奈美、小出恵介、鈴木浩介、山本未來、堀部圭亮、岡江久美子、遠藤憲一
脚本:
秋元康企画のミステリー。メイン2人の爽やかさに対し助演陣がクセモノ揃い。ただしこの枠は個人的に打率が低いと思っているので、キャストの無駄遣いにならないことを祈る。
アキラとあきら(WOWOW・日曜22時)★★★★★
出演:
向井理、斎藤工、小泉孝太郎、田中麗奈、賀来賢人、木下ほうか、堀部圭亮、松重 豊、瀧本美織、永島敏行、尾美としのり、石丸幹二
原作:
脚本:
池井戸潤な時点で間違いない上に、キャストも豪華で明らかに力入っているので今期の本命と睨んでいる。しかし小泉孝太郎と賀来賢人と堀部はよく出てるな。
火曜ドラマ「カルテット」の初回感想
放送前からドラマファンの間で話題になり、早くも「今年ナンバーワンドラマ」と評価する声も見られるTBSドラマ「カルテット」。内容としては恋あり、笑いあり、サスペンスありの大人向けドラマで、普通だったら同局の金曜ドラマ枠で放送されるべきなのだけど、裏でしょっちゅうジブリ祭りを開催する日テレに潰されるよりは、昨年大ヒットした「逃げるは恥だが役に立つ」で乗りに乗ってる火曜ドラマ枠に置いた方がいいという判断だったのだろう(初回視聴率は結局金曜ドラマ「下克上受験」の方が良かった訳だけど...)。
さてこのドラマ、前半は軽井沢の別荘で共同生活をする男女4人の会話劇が延々繰り広げられたりして掴み所が無く、途中で脱落した視聴者も結構いたんじゃないかと思う。しかし、ラストで実は松たか子演じる主婦に夫殺しの疑惑があり、満島ひかりはその夫の母親(もたいまさこ)から依頼されて松の行動を探っていたことが発覚し、物語は大きく動く。
録画をもう一回見直すと満島ひかりが「何か」を知っているかのような意味深な演技をしていたり、その他伏線となるポイントが複数あるので、一回見ただけでは全容を理解できないように意図的に作っていると思われる。こういったドラマは視聴率は苦戦するかもしれないが、録画率はおそらく高くなるだろう。昨年からリアルタイムの視聴率だけでなく、録画率も加味されるようになった流れを汲んだTBSの作戦と言える。
キャストでいうと満島ひかり×脚本・坂元裕二という組み合わせは「Woman」「おやじの背中」でも見たのだけど、その2つは正直「苦手な坂元裕二」「苦手な満島ひかり」だった。しかしこの「カルテット」では「良い坂元裕二」「良い満島ひかり」になっていると今のところは感じる。いつもは鼻っ柱の強い女性を演じることが多い彼女だが、今作では他のキャスト3人と比べて小柄で年齢も若いためか、マスコットキャラ的な自由人ポジションで伸び伸びやっているように見える。衣装も可愛くて似合っている。
そして高橋一生。2015年「民王」以降人気が急上昇したが、カルテットで早くもその人気を確固たるものにしたように思える。このドラマのコメディパートはこの人がほぼ担っていると言っても過言ではなく、坂元氏からの信頼の厚さが伺える。
松田龍平はデビュー以来ずっと映画の人だったのが、2013年「あまちゃん」以降ドラマでも見る機会が増えた。あまちゃんでは美保純、2016年「営業部長 吉良奈津子」では松嶋菜々子、そして今作では松たか子と、年上の女優と絡ませると良い味を出すという傾向があるように思える。
松たか子は「アナと雪の女王」での劇中歌が話題になったものの、テレビで本人が歌っているところを見ることは遂に叶わなかった。しかし今作では椎名林檎作曲のエンディングテーマでその歌声を惜しげもなく披露している。何気に坂元裕二は松たか子のデビュー曲の作詞を手掛けており、そういった縁もあって今回のオファーを引き受けたのかもしれない。
このように、単に「面白い」の一言では片付けられないクセ者ドラマが「カルテット」である。初回こそ視聴率は一桁スタートだったが、クチコミや録画率によっては今後大きく話題になる可能性も秘めている。とりあえず2回目以降も楽しみ。
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M-1グランプリ2016
アキナ
大人しそうに見えて東西あらゆる賞レースの決勝に進出しまくっているコンビ。今回はTHE MANZAIで披露した大喜利的な漫才ではなく、ソーセージ時代に得意としていたマセた子供のコント漫才。 ボケの山名の声のトーンで笑ってしまう。トップバッターとしてはなかなかの高得点をマーク。
カミナリ
今回のファイナリストの中ではダントツの新顔。こんなに全力でボケを否定するツッコミも珍しい。別の番組で初めて観た時は笑ったと同時に怖さも感じたのだけど、何回も観てると茨城弁のおかげか愛らしく見えてくる。上沼さんも数回観たら印象変わったんじゃなかろうか。去年でいうメイプル超合金みたくなりそう。
今までは男女の立ち話的な漫才スタイルだったのが、山添の動きにケイさんがナレーションをつけるスタイルに。野球を題材に選んだのは男性審査員対策だろうか。結果は女性の上沼さんのみ90点台をつけるという予想通りの結果に。しかしネタのクオリティ自体はとても高く、他のコンビとの相対評価で負けてしまった印象。
寧ろまだ優勝してなかったのかという。1本目は「ドレミの歌」という題材のありがちさを掻き消す程の内容で爆笑をさらった。橋本のツッコミが相変わらずフルスロットルで、動物のくだりでは一つのボケに対し3つの例えツッコミを入れるしつこさ。一方で2本目では話題が変わる度流れがリセットされる感覚があり、漫才を通しての増幅する笑いは少なく、橋本のツッコミも比較的大人しく見えた。もしかしたら橋本がガンガン前に出る1本目と鰻のアホっぷりを全面に出した2本目で幅を見せたかったのかもしれない。
2010年M-1で超スローテンポ漫才という新たなスタイルを引っさげ視聴者の度肝を抜いたコンビ。ここの凄いところは1ボケ1ボケの殺傷能力の高さ。「家族のトーナメント表」というボケは今回の全ネタの中でもトップクラスの強度だった。
ハライチ
本人達の代表作であるノリボケ漫才のイメージをどう打破するかで苦心している印象。RPGを一度でもプレイしたことがある人ならばあるある的に笑えるネタだが、それ以外の部分はやはり澤部の表現力頼みになってしまう。寧ろどんなネタであろうと一定の笑いを保証できる澤部の安定感を再確認する形になった。
THE MANZAI、M-1共に決勝進出経験があり、その度に面白いネタを披露していたのだがイマイチ爪痕は残せていなかったコンビが遂に最終決戦まで進出。田中が一人でコントを演じ、それに対して武智が外側からツッコむというスタイルをとっているが、今回はそのスタイルを上手く利用した叙述トリックで構成の上手さを見せつけた。2本目は割とオーソドックスなボケを畳み掛けるタイプの漫才だったが、会場はかなり盛り上がっていた。やはりこの形式が一番爆笑をとりやすいのかもしれない。
キングオブコントではすっかりお馴染みだが、すごく面白い漫才を作るコンビでもある。「能やん」「能なん!?」「たぶん能やん」の活用形が気持ち良い。ワンアイディアで推す形式はコントではよく用いられるが、漫才では色んなボケを詰め込む方が主流なので、あまり有利ではない中4位に食い込んだのは立派。
和牛
敗者復活枠。これまでは水田の理屈屋な面を押し出した漫才を得意としていたが、今回披露した2ネタは水田の終始ズレまくった言動に川西が彼女目線でツッコむ、割合とポップなもの。ボケの発想や喋りの達者さに加え演技力も高いという正に死角無し。視聴者や芸人によるM-1の感想を見ると、その多くが川西のツッコミの実力に言及しており、今大会で一番評価を上げた芸人と言えそう。
最終決戦は大会始まって以来の大混戦。個人的には和牛が優勝だったが、しゃべくり漫才を貫き通した銀シャリに軍配が上がった。3組とも全国区ではまだ有名とは言えないので、これを機にまとめてブレイクして欲しい。