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何でもアリの

テレビ番組の感想を綴るブログ

笑けずり最終回を見た

笑けずりとは、NHK-BSプレミアムで放送された全7回のバラエティ番組。内容は、オーディションで選ばれた無名のお笑いコンビ9組が本栖湖近くのペンションに集められ共同生活を送るというもの。勿論それだけで終わりではなく、売れてる芸人コンビ(中川家笑い飯、千鳥、バイきんぐ、サンドウィッチマン)を毎回講師に迎え、彼らのお笑い指導を受けつつ、出される課題に沿った新作漫才を作り、その出来如何によって1組ずつけずられていく、というさながら電波少年かサバイバーかガチンコ漫才道かという、2000年前後臭のする企画である。共同生活+スタジオでそれを観て感想を言い合う芸能人達という構図から「テラスハウス」も意識していると思われる。この生き残り生活で最終3組まで絞られ、最終回では生放送で3組が新作漫才を披露、視聴者投票により笑けずりチャンピオンを決める。
 
この番組が他のお笑い番組と違うところは、講師たちのお笑い授業により視聴者もお笑いについて勉強でき、若手芸人たちの成長過程をリアルに感じることができる点である。「爆笑オンエアバトル」などのネタ番組や「はねトび」系列のコント番組が悉く終了し、こういった「若手芸人見守り型」バラエティは壊滅的な状態。そんな中でこの「笑けずり」という番組は久々に観る側も思わず応援したい気にさせられる良質なお笑い番組だった。
 
最終3組まで残ったのはぺこぱ、ザ・パーフェクト、Aマッソ。最終回ではこの3組が「夢」をテーマに新作漫才を披露し視聴者投票、最下位の1組が削られ残り2組でテーマフリーの漫才を披露。得票数の多い方が笑けずりチャンピオンになるという形式だった。
 

各コンビの印象と最終回のネタ感想

 ぺこぱ
ボケの松陰寺のヴィジュアル系ヘアメイク+着物+ローラーシューズ+キレのある動き+「キザーン!」という決め台詞のコンボは相当インパクトがある。着物を着て漫才をする芸人は東京ダイナマイト以来じゃないだろうか。合宿中のネタ見せでは相方であるシュウペイのツッコミの弱さが再三指摘されてきたが、最終回ではシュウペイに松陰寺のモノマネをさせる他無言ツッコミで緩急をつけるなどの改善が見られた。バイきんぐ回の「ベタだけどベタに見えない漫才コント」という課題で1位を獲ったが、最終回でも桃太郎というベタな設定に松陰寺のキャラが乗っかる漫才コントを披露。「人類のほとんどが松陰寺」「哺乳類の内臓に寄生する微生物・キザ」「犬、猿、雉が同時に死ぬ」などのSF要素を盛り込んでオリジナリティは抜群だったが、松陰寺が緊張から噛みがちだったり変な間が空いたりしてしまったのが残念。ただスタジオにいた足立梨花とのやり取りは面白かった。松陰寺はメンバー中最年長なこともあってか色々引き出しの多さを感じさせるので、おもしろ荘あたりに出てブレイクして欲しいところ。
 
Aマッソ
ズバ抜けた発想力・独創性を持つ大阪出身の女性コンビ。笑い飯を敬愛しており、その影響が随所に感じられる。女性版笑い飯と言えばDr.ハインリッヒが思い浮かぶが、あちらより更にアクの強いネタをする。ベタを好まず、よくある言い回しを避け、しゃべり方も女性らしさを完全に排除している。合宿中は3回1位を獲得するなどエリート的なポジションだったが、千鳥から「1か所聴き逃したらわからなくなる」「ネタを観るのに集中力が要る」と指摘された通り、世界観を作り過ぎて観客を置いてきぼりにするきらいがある。最終回のネタもその傾向が見られたが、
ホッピング欲しい」
「ボヨヨンボヨヨンって何が面白いねん!」
「...かつみさゆりに聞けや!!」
「アホやこいつ、イルカのスタンプやのに赤のインク使うとんねん」
「大丈夫です、芸大通ってますんで」
「逆だけがアートちゃうぞ。しょうもないセンス出してくんな」
などの毒舌パートは面白かった。やはり笑いには共感性が必要で、発想を飛ばし過ぎると良くない。シュールな女性コンビというのはなかなか脚光を浴びにくく(少年少女が良い処まで行けそうだったけど結局活動休止してしまった)才能に反比例して苦労しそうな予感もするが、いつか陽の目を浴びてほしい。
 
ザ・パーフェクト
 既に漫才のフォーマットが完成しており、ハードパンチャー妹尾(この芸名はチョコレートプラネット松尾の旧芸名
松尾アンダーグラウンド」並みに違和感のあるネーミングである)の突飛なボケをツッコミのピンボケたろうが優しくフォローするというスタイル。観客に寄り添うタイプのツッコミなので、そりゃあ初見の人にも支持されやすいだろう。最終回での後ろを向いた状態の妹尾の行動を実況解説する部分などは、このコンビのスタイルをよく活かしていた。最終決戦で1位となり初代笑けずりチャンピオンに。ピンボケたろうはいじられキャラとして先輩に好かれそう。ツッコミがたくさん喋るタイプの漫才師は三四郎、ウエストランドなどがいるが、そこに食い込めるかどうかが今後の分かれ道になりそう。
 
第2シリーズがあるかどうかはわからないが、こういう番組をやる意義は大いにある。あと地上波での再放送を希望する。