ブラックとバカバカしさ〜平成27年度NHK新人お笑い大賞
NHK新人お笑い大賞を観た。
Aブロック
スーパーニュウニュウ
コント。娘がボンド塗れの手で父親に目隠しをして離れなくなり、その間に母の家出、父の浮気問題が発覚していく。男女コンビ。オープニングで自作の鎖鎌を持って登場するあたり、アウトローの匂いが感じられる。去年の巨匠もそうだったが、ネタの内容が全くトップバッター向きじゃない。NHKの番組でこのネタをやったこと自体が面白かった。
ロビンソンズ
コント。不良息子と国会議員の父。奇しくも親子ネタが続いたが、どんどん取り乱していく父親(スーパーニュウニュウ)と淡々と息子を追い詰めていく父親(ロビンソンズ)という対比があった。元々はザ・ゴールデンゴールデンというトリオで北澤の顔面をイジるネタをやっていたが、コンビになってからは会話の内容で笑わせるネタをするようになった。司会のフットボールアワー後藤の言葉を借りれば高低差あり過ぎで耳キーンレベルのシフトチェンジだが、後にアインシュタイン稲田というモンスターが控えていることを考えれば、それで正解だったかもしれない。
アキナ
コント。前2組がブラックな設定のネタだったが、アキナは友達同士でクイズを出し合うという平凡な設定から徐々に黒さが見えてくる構成だったのが他2組との差だったかもしれない。感情が揺れ動く様を丁寧に描くコントはこのコンビの真骨頂。先日のキングオブコントで披露したネタではその丁寧さが裏目に出ていたが、今回はハマった。山名が意味も無くずっとヘルメットを被っているのが好き。
漫才。稲田の顔面がとにかくインパクト大だが、ネタの設定はラジオDJというオーソドックスな物で、少々物足りなかった。
アキナ勝ち上がり。
Bブロック
コント。タクシーの乗客が犯罪者風の素振りを見せる。これだけブラックネタが多いということは、こういうのが東京ライブシーンにおける主流なんだろうなあ。
チョコレートプラネット
コント。鶴の恩返し現代版。長田得意の業者キャラだが、去年この大会とキングオブコントで披露したポテチ開封業者のコントが秀逸過ぎた為、設定の時点ではさすがに既視感が。しかし小道具が出てくるとやっぱり笑ってしまった。絶対このコントでしか使わないだろアレ。
和牛
漫才。彼女の手料理。元料理人でもある理屈屋の水田のキャラが炸裂。男性目線でも女性目線でも楽しめる出色のネタだと思う。勝ち上がってもおかしくなかったが、チョコプラの馬鹿馬鹿しさに軍配が上がった。
インディアンス
漫才。内容としてはお調子者の田渕がダジャレを連発しているだけなのだが、くだらな過ぎて笑ってしまう。でもTHE MANZAI認定漫才師お披露目SPみたいなユルい空気感で見たいタイプ。関西のコンビだが、田渕のキャラがザキヤマ、声が南海キャンディーズ山里に似ているせいか関東っぽさを感じる。
チョコレートプラネット勝ち上がり。
アキナ VS チョコプラという去年のキングオブコントでも対戦した組み合わせに。
アキナ2本目。漫才でよくある「俺○○やるからお前△△やって」というくだりをコント形式で。「漫才でもできるだろ」というツッコミを見越してその実コントでしかできない展開に持ち込んだ。審査員の渡辺正行が言った「本当にお笑いが好きなんだな」というのが伝わってくる。
チョコプラ2本目。助けた亀からの恩返しが無いとクレームしに来る客。1本目のコントともリンクしている内容で、設定の時点で客席から笑いが。小道具は無かったが、受け側の松尾の演技にも気を配っている感じが良かった。
満票でチョコレートプラネット優勝。去年優勝しててもおかしくなかったので、順当な結果。