何でもアリの

テレビ番組の感想を綴るブログ

世にも奇妙な物語 傑作復活編

今回は番組放送25周年を記念して傑作復活編、映画監督編を2週に渡って放送。1週目の傑作復活編は事前に公式HPでファン投票を実施し上位30作品の中から5作品をチョイスしリメイクするというもの。しかしファン投票によるランキングは作品の人気というよりは出演者の人気ランキングになってしまうという残念な結果に。スタッフも大体どの作品が人気かは把握していたと思うので、投票はせずスタッフの独断で作品を選んでほしかったというのが正直なところ。とは言え、元々の期待値が低かったせいか思いの外楽しめた回だった。

 
昨日公園(主演:有村架純
「2006年 秋の特別編」にて堂本光一主演で放送。親友を事故で亡くした主人公が思い出の公園に足を運ぶと、そこには亡くなったはずの親友の姿が。親友を死なせないために遠回りをさせたり家にいるよう忠告する主人公だったが、何度やっても親友は死んでしまい...。
旧作では男同士の友情、野球のボールがキーアイテムだったが、リメイク版では女同士の友情、フルートに設定が変更。光る雨の演出なども新しく追加。話の大筋は変えず、それ以外の細かい設定をマイナーチェンジしたことにより違った趣の作品に生まれ変わった。ラストが切ない。あと親友役は「女王の教室」「白夜行」で有名な元・子役、福田麻由子
 
「2006年 15周年の特別編」にて松本潤主演で放送。ある日主人公が家に帰ると見知らぬ中年の男がポテチを食べながらテレビを観ている。その男はイマキヨさんと言って不幸な人間にとり憑く貧乏神のようなものだった。友人によるとイマキヨさんにやってはいけない4つの掟があり、4つ目を破ると...。
これはストーリー云々よりイマキヨさんを演じる酒井敏也のビジュアルインパクトが肝の作品。それを感じ取ってかリメイク版も酒井敏也が再登板。ファン投票で1位の作品だったので外すわけにもいかなかったんだと思うが、正直リメイクした意味があまり無いと思った。とんでもない状況に追い込まれている割には主人公が妙に冷静に見えてしまい、この作品の持つ緊迫感や馬鹿馬鹿しさが薄れてしまっていたように思う。菅田将暉あたりのコメディの上手い若手が演じていればもっと面白くなっていたような。
 
ハイ・ヌーン(主演:和田アキ子
1992年のレギュラー放送時代に玉置浩二主演で放送。ある夏の暑い日、定食屋に一人のサラリーマン風の男がやって来る。男は壁に貼ってあるメニューを端から順番に注文していきその全てをたいらげていく。異様な光景に近所の人たちも集まり、いつしか定食屋は黒山の人だかりに。
筋書きとしては男が定食屋のメニューを制覇していくというだけのシンプルな物なので、演出の腕が問われる作品。ただ今回は演出よりもサラリーマン役に和田アキ子という突飛なキャスティングの方に目が行ってしまった感がある。旧作が玉置浩二なので歌手つながりで、ということで思いついたのかもしれないが、これは賛否分かれても仕方ない。無駄に渋い寺島進は良かった。
 
1991年レギュラー放送時代に草刈正雄主演で放送。「自分は何でも知っている」と自負する主人公がある日「ズンドコベロンチョ」という言葉を初めて耳にする。知らないとは言えず「ズンドコベロンチョ」の正体を突き止めようとするが...。
ストーリーテラータモリ自身もお気に入りの作品として挙げていることもあり、この作品が選ばれると予想した番組ファンは多かったと思う。スマホで何でも調べられる時代だからこそリメイクする意味のある作品。一番懸念されたネットで調べる件もなんとか成り立っていたし、オリンピックを絡めたりネットが炎上したりと世相を反映するシーンも多かった。かなり難しいリメイクだったとは思うが秀作。
 
思い出を売る男(主演:木梨憲武
「1994年 秋の特別編」にて小堺一機主演で放送。職を失い妻子にも逃げられ、借金取りに追われる主人公は思い出を売って金に換えるというシステムで借金を返済。しかしかつての思い出は次々に失われていき...。
感動作としてよく名前が挙がる作品だったが、期待以上の出来。とにかく主演のノリさんの演技が素晴らしい。思い出が失われるにつれて痴呆のようになってしまうリアルさや、ラストの涙を浮かべた表情など、真に迫っていた。ドラマ出演は久々とのことだが、器用な人だ。
 
こうして並べてみると、自分が一番世にもを観ていた90年代後半の作品が無いことに気付いた。ホラー、ブラック系の作品が少ないのは映画監督編とバランスを取るためか。いずれにせよ少々不満は残ったがそれなりに楽しめた。