データで見る2017年4月ドラマ
「視聴率でドラマの良し悪しを測るのはもう古い」と言われる昨今。それでは視聴率以外のデータでドラマの評価を見るとどうなるのか調べてみた。4月以降にプライムタイムに放送された地上波連ドラが対象。
まずは今期の平均視聴率上位3作。
1位 緊急取調室 13.97%
2位 小さな巨人 13.51%
3位 警視庁・捜査一課長 12.18%
見事に3作共刑事モノ。1位の緊急取調室は刑事モノという外さないジャンルに加え、天海祐希、小日向文世、大杉漣、でんでん、鈴木浩介など名プレイヤーが勢揃いしていたわけで、画面の安定感が違った。
続いてザ・テレビジョンがSNSで話題になっているドラマを独自に数値化した視聴熱。以下はザ・テレビジョンのTwitter公式アカウントで毎週発表されていたウィークリーランキングを元にした上位3作。
1位 貴族探偵
2位 リバース
3位 あなたのことはそれほど
このランキングはジャニーズタレントが出演した作品が有利になる傾向があるが、ジャニーズが出演せずともランクインした「あなそれ」はSNS映えする画ヂカラの強さが功を奏した。
続いてYahoo!みんなの感想で高評価だった作品。これは評価件数と点数が反比例する傾向にあるので、それぞれのランキングを別々に算出。
評価件数(6/29時点)
1位 あなたのことはそれほど 1293件
2位 貴族探偵 1281件
3位 母になる 1050件
点数(5点満点)
1位 ツバキ文具店 4.61点
2位 リバース 4.45点
3位 緊急取調室 4.38点
評価件数の多いあなそれと貴族探偵だが点数は2点台。良くも悪くも話題になった作品と言える。視聴率では1位の緊急取調室は点数も高いが評価件数は82件と驚くほど少ない。ネットユーザーと視聴者層が被っていないのだろう。
ちなみにツバキ文具店は325件、リバースは1022件。リバースは1000件越えでこの高評価はすごい。番組に対する信頼感が伺える。
続いて2ちゃんねるのスレッド数ランキング(6/29時点)。
1位 あなたのことはそれほど 28スレ
2位 リバース 21スレ
3位 小さな巨人 17スレ
3作共TBSだが、今期のTBSドラマはコメディーでないにも関わらず爆笑を誘う物ばかりだったのでこの結果は納得。
最後に録画率。TVガイドの公式サイトのデータを参照。以下はドラマが一気にスタートした4月第3週と終盤に差し掛かった6月第2週のランキング。
4月第3週
1位 CRISIS 公安機動捜査隊特捜班
3位 リバース
6月第2週
1位 リバース
2位 あなたのことはそれほど
3位 ボク、運命の人です。
CRISISは当初2週連続首位だったが6月第2週では5位に甘んじている。確かにTwitter上でも当初の評判はCRISISとリバースの2TOPという印象だったが、前者はいつの間にかトーンダウン。一方リバースはCRISISの王座陥落以降ずっと1位を守り続けている。裏の金曜ロードショーをリアルタイムで観てこっちを録画する視聴者も多いのだろう。
視聴率は奮わなかった「ひとパー」も当初は意外と期待値が高かったことがわかる。
途中から順位を上げた「あなそれ」と「ボク運」は物語後半の盛り上がりが共通。話の内容の面白さがモロに影響を受けるランキングと言える。
こう見ていくと逆に視聴率のランキングが異質に見えてくるのが面白い。リバースとあなそれはそれ以外のランキング全てにランクイン。自分が今期最後まで観たドラマがこの2作品だったので、この結果は嬉しい。テレビ局からすれば視聴率が全てなのだろうが、いち視聴者としてはそれ以外の楽しみ方もしたいところ。