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朝ドラ「半分、青い。」に期待する

現在放送中の朝ドラ「半分、青い。」が2週目を終えた。

 

正直ここ数年は朝ドラ視聴から遠ざかっていたのだが、今回観ようと思ったのは主演の永野芽郁を含めキャストが好みだったこと、近年乱発気味の女性創業者モノではなく昭和後期〜平成が舞台のオリジナルストーリーである点が大きい。

 

今回脚本を務める北川悦吏子氏と言えば90年代〜00年代初頭のフジテレビやTBSの恋愛ドラマを数々手掛けたことで有名。しかしそんな彼女の作風が2018年のNHK朝ドラに果たしてマッチするのか?というのは多くの人が抱えた疑問だと思う。

 

同じように民放ドラマのイメージが強い中で朝ドラに起用された脚本家というのは過去にもいて、その異色さがプラスに働きそれまで朝ドラを観なかった層も巻き込んでのブームを作ったのが宮藤官九郎(あまちゃん)、逆に朝ドラをぶっ壊そうとして本当の意味でぶっ壊したのが遊川和彦(純と愛)だと思う。

 

そして「半分、青い。」を初回から今まで視聴した上で言えるのは、朝ドラに於ける新たな名作の誕生になるかもしれないということ。

 

たいていの朝ドラは主人公の幼少時代から始まるが、「半分、青い。」は史上初の胎児スタート。しかもへその緒が首に巻きついている。更にここから子供のまま近年では異例の週またぎ。子供時代に時間を割いたのは主人公が片耳を失聴した過程をじっくり描くためだろう。最初こそ隙あらば挟み込まれる昭和ネタの数々に「これはこの時代に無かった」「これはこう呼ばれてたはず」とストーリーそっちのけでネットで議論が巻き起こっていたが、回を重ねるごとに北川氏本来の人間描写のリアルさと繊細な言葉選びが生きてきて、「子供時代をもっと見ていたい」という声が上がるほど。

 

このドラマの魅力は「朝ドラっぽくなさ」にある。これまでの「朝ドラっぽくない朝ドラ」の代表格と言えば前述した「あまちゃん」だが、近年の朝ドラは「あまちゃんよもう一度」という雰囲気が出過ぎている気がして、それが自分を朝ドラ視聴から遠ざける要因ともなったのだが(特に東京制作。大阪制作は「あさが来たよもう一度」の空気を感じる)、「半分、青い。」で漸く全く別の風が吹き込まれた感じがする。そういうわけで久々に完走出来そうな朝ドラなので、どうかこのまま今のクオリティを維持して突っ走って欲しい。

 

連続テレビ小説 半分、青い。 Part1 (NHKドラマ・ガイド)

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