玉木宏と子役の演技が光った「あさが来た」
連続テレビ小説「あさが来た」がスタートした。
主人公のモデルは日本初の女子大学の設立や炭鉱業などに尽力した実業家であり教育者の広岡浅子。新撰組や「花子とアン」の主人公・村岡花子とも交流があったそう。これだけの経歴のある人物なら朝ドラの長丁場でも間延びせず楽しめそうで、そこは期待できる。
このドラマが今までの朝ドラと最も違うのは物語のスタートが江戸時代である点である。2010年代の朝ドラは現代物が減った代わりに明治から昭和にかけての時代を扱うことが多くなっているのだが、それ以前の時代を舞台にした作品は意外にも今回が初めて。
第1回を観て思ったのは「超・王道の朝ドラ」ということだ。名家のお嬢様でありながらお転婆な主人公、厳格な父親、出来の良い姉、優しい祖父、変わり者の相手役。どれも過去に見たことがあるようなお馴染みの設定だ。これだけ王道だと「ベタ」「マンネリ」と揶揄されてしまいかねないが、「時代設定が幕末」ということ自体が大きな違和感となっているため、バランスを取る意味でもキャラクター設定は王道で寧ろ正解。まあ今回の場合、前作がトンデモ朝ドラだったので何が来ても許容される体制は整っていたのも確か。
第1週を通して見て最も印象に残ったのは主人公・あさの許嫁「新次郎」を演じる玉木宏とあさの姉「はつ」の子供時代を演じた守殿愛生である。
第1話、あさが新次郎と初対面する場面で多くの視聴者はある違和感を感じたと思う。公式によると2人が出会った時点の年齢は、あさ11歳に対して新次郎は22歳の設定とのこと。これでも十分な年の差だが、演じる鈴木梨央と玉木宏の実年齢はそれぞれ10歳と35歳なのだ。下手すれば親子ほどの年の差で、映像的にはとても夫婦には見えない。新次郎にも子役を使うべきだったのでは?という意見も多く見られたし、自分も最初はそう感じた。しかし物語が進んでいくうちに、新次郎というキャラクターの柔和ながら掴みどころの無い遊び人の雰囲気は玉木宏でしか出せないと思うようになった。玉木宏と言えば2枚目ながら「災難に見舞われる男」を演じることが多いイメージがあるのだが、今作では逆に周りの人間を振り回す人物を色気たっぷりに演じており、既に世の女性視聴者を虜にしている。玉木の出世作「のだめカンタービレ」の千秋先輩以来の当たり役になるのではないだろうか。
もう一人、守殿愛生演じるはつというキャラクターは、お転婆なあさと比べておしとやかで出来が良いという設定だが、物語の上ではトラブルメーカーのあさの影に隠れる地味な存在だった。しかし第4話は、はつがもう一人の主人公であることを示唆するような回だった。この回ではつは許嫁である惣兵衛(柄本佑)と初対面するが、終始笑顔を見せない惣兵衛に冷たい印象を受ける。その夜、自分の将来を案じたはつは妹の前で初めて涙を見せる。この回を観て、視聴者の多くはあさよりはつに感情移入したことと思う。遊び人だが優しそうな新次郎の家に嫁ぐことが決まっているあさに対し、冷淡な惣兵衛と高圧的な姑のいる家に嫁ぐはつ。どちらが困難を強いられるかは火を見るより明らかだ。しかも第6話では母親の口から当初ははつが新次郎、あさが惣兵衛に嫁ぐ予定だったことも明かされ、ますますはつが気の毒に思えてくる。長女であるが故に早くから結婚を意識せざるを得ず、両親の言うとおり花嫁修業に勤しんできたものの、いざ相手を前にして不安が一気に押し寄せてしまうはつの心情を、守殿愛生という若干12歳の女優が実に繊細に演じており、妹と抱き合って泣く場面はネット上で早くも名シーンとの呼び声高い。それまであさのお転婆描写が多かった分、はつへの印象がグッと強くなった。
第1週を見た限り、ドラマとしてよく出来ているし朝ドラのツボも外していない、キャラクターも魅力的で役者の好演が光る。次週以降も楽しみな作品だ。
笑けずり最終回を見た
笑けずりとは、NHK-BSプレミアムで放送された全7回のバラエティ番組。内容は、オーディションで選ばれた無名のお笑いコンビ9組が本栖湖近くのペンションに集められ共同生活を送るというもの。勿論それだけで終わりではなく、売れてる芸人コンビ(中川家、笑い飯、千鳥、バイきんぐ、サンドウィッチマン)を毎回講師に迎え、彼らのお笑い指導を受けつつ、出される課題に沿った新作漫才を作り、その出来如何によって1組ずつけずられていく、というさながら電波少年かサバイバーかガチンコ漫才道かという、2000年前後臭のする企画である。共同生活+スタジオでそれを観て感想を言い合う芸能人達という構図から「テラスハウス」も意識していると思われる。この生き残り生活で最終3組まで絞られ、最終回では生放送で3組が新作漫才を披露、視聴者投票により笑けずりチャンピオンを決める。
この番組が他のお笑い番組と違うところは、講師たちのお笑い授業により視聴者もお笑いについて勉強でき、若手芸人たちの成長過程をリアルに感じることができる点である。「爆笑オンエアバトル」などのネタ番組や「はねトび」系列のコント番組が悉く終了し、こういった「若手芸人見守り型」バラエティは壊滅的な状態。そんな中でこの「笑けずり」という番組は久々に観る側も思わず応援したい気にさせられる良質なお笑い番組だった。
最終3組まで残ったのはぺこぱ、ザ・パーフェクト、Aマッソ。最終回ではこの3組が「夢」をテーマに新作漫才を披露し視聴者投票、最下位の1組が削られ残り2組でテーマフリーの漫才を披露。得票数の多い方が笑けずりチャンピオンになるという形式だった。
各コンビの印象と最終回のネタ感想
ぺこぱ
ボケの松陰寺のヴィジュアル系ヘアメイク+着物+ローラーシューズ+キレのある動き+「キザーン!」という決め台詞のコンボは相当インパクトがある。着物を着て漫才をする芸人は東京ダイナマイト以来じゃないだろうか。合宿中のネタ見せでは相方であるシュウペイのツッコミの弱さが再三指摘されてきたが、最終回ではシュウペイに松陰寺のモノマネをさせる他無言ツッコミで緩急をつけるなどの改善が見られた。バイきんぐ回の「ベタだけどベタに見えない漫才コント」という課題で1位を獲ったが、最終回でも桃太郎というベタな設定に松陰寺のキャラが乗っかる漫才コントを披露。「人類のほとんどが松陰寺」「哺乳類の内臓に寄生する微生物・キザ」「犬、猿、雉が同時に死ぬ」などのSF要素を盛り込んでオリジナリティは抜群だったが、松陰寺が緊張から噛みがちだったり変な間が空いたりしてしまったのが残念。ただスタジオにいた足立梨花とのやり取りは面白かった。松陰寺はメンバー中最年長なこともあってか色々引き出しの多さを感じさせるので、おもしろ荘あたりに出てブレイクして欲しいところ。
Aマッソ
ズバ抜けた発想力・独創性を持つ大阪出身の女性コンビ。笑い飯を敬愛しており、その影響が随所に感じられる。女性版笑い飯と言えばDr.ハインリッヒが思い浮かぶが、あちらより更にアクの強いネタをする。ベタを好まず、よくある言い回しを避け、しゃべり方も女性らしさを完全に排除している。合宿中は3回1位を獲得するなどエリート的なポジションだったが、千鳥から「1か所聴き逃したらわからなくなる」「ネタを観るのに集中力が要る」と指摘された通り、世界観を作り過ぎて観客を置いてきぼりにするきらいがある。最終回のネタもその傾向が見られたが、
「ホッピング欲しい」
「ボヨヨンボヨヨンって何が面白いねん!」
「...かつみさゆりに聞けや!!」
「アホやこいつ、イルカのスタンプやのに赤のインク使うとんねん」
「大丈夫です、芸大通ってますんで」
「逆だけがアートちゃうぞ。しょうもないセンス出してくんな」
などの毒舌パートは面白かった。やはり笑いには共感性が必要で、発想を飛ばし過ぎると良くない。シュールな女性コンビというのはなかなか脚光を浴びにくく(少年少女が良い処まで行けそうだったけど結局活動休止してしまった)才能に反比例して苦労しそうな予感もするが、いつか陽の目を浴びてほしい。
ザ・パーフェクト
既に漫才のフォーマットが完成しており、ハードパンチャー妹尾(この芸名はチョコレートプラネット松尾の旧芸名
「松尾アンダーグラウンド」並みに違和感のあるネーミングである)の突飛なボケをツッコミのピンボケたろうが優しくフォローするというスタイル。観客に寄り添うタイプのツッコミなので、そりゃあ初見の人にも支持されやすいだろう。最終回での後ろを向いた状態の妹尾の行動を実況解説する部分などは、このコンビのスタイルをよく活かしていた。最終決戦で1位となり初代笑けずりチャンピオンに。ピンボケたろうはいじられキャラとして先輩に好かれそう。ツッコミがたくさん喋るタイプの漫才師は三四郎、ウエストランドなどがいるが、そこに食い込めるかどうかが今後の分かれ道になりそう。
第2シリーズがあるかどうかはわからないが、こういう番組をやる意義は大いにある。あと地上波での再放送を希望する。
2015夏ドラマ総括
今期ドラマで最後まで完走したのは表参道高校合唱部!、民王、ど根性ガエルの3作。
表参道高校合唱部!は以前記事にも書いたけど、主演にまだ名の売れてない芳根京子という若手女優を抜擢した点、脚本に「マルモのおきて」をヒットさせた経歴のある櫻井剛を起用している点から「意外と良作になるのでは?」と睨んでいた。裏の金曜ロードショーの影響もあって視聴率は低空飛行だったが、内容はとても充実しており、何度も感動したし癒された。ストーリーは廃部寸前の合唱部を舞台にしたベタな学園ドラマではあるのだが、生徒達のひた向きさと歌の力に惹き付けられた。メインとなる合唱部のメンバーはオーディションで選んだだけあって有望株ぞろい。主演の芳根はもちろんのこと、主人公をいじめる立場から仲間に加わる難しい役どころを見事に演じた吉本実憂には凄味を感じた。
民王は設定、キャスト、スタッフの時点で面白くなる要素は詰まりまくっていたが、実際も期待を裏切らない面白さだった。特筆すべきはやはり主演の遠藤憲一と菅田将暉による人格入れ替わり演技。尊大で女に目が無い父親の人格を演じる菅田も、気弱でアホな息子の人格を演じる遠藤もお互いの特徴をよく捉えており、二人とも凄い俳優だと再認識。政界に対する皮肉もふんだんに盛り込まれており、時期的にもタイムリーな作品だった。
ど根性ガエルは「また実写化か」「なぜ今ど根性ガエル?」と思った視聴者が少なくなく、様子見で初回を観て見限ったのか、日テレのドラマの中では数字的にイマイチな結果に終わった。ただ実写としてのクオリティは高く、ピョン吉のCGは自然で違和感が無かったし、何よりピョン吉の声を演じた満島ひかりの表現力には舌を巻いた。ストーリーとしては笑いあり涙ありの人情喜劇だったが、ちょっと視聴者層のターゲットが曖昧だったかも。
その他途中まで観た物を挙げると、花咲舞が黙ってないは視聴率的には夏ドラ1位だったが、本筋からズレた話も見受けられ、前シリーズと比べるとネタ切れ感が顕著だった。その裏のリスクの神様はキャストの濃さや社会派のテーマは良かったのだが、いかんせん観るのに集中力を要する内容なので、気楽にながら見できる花咲~に負けてしまったのだと思う。ナポレオンの村は傑作「天皇の料理番」の後枠でハードルが上がっていたこと、世界陸上で何度も休止になったこと、設定が今年NHKで放送した「限界集落株式会社」と被ってしまったことなど、向かい風の強い作品となってしまった。美しい自然の映像は眼福だったし、唐沢寿明も役に合ってたのだが、もう一つ観たい要素が足りてなかったように思う。4月から9月まで放送した朝ドラまれは脚本、演出、美術、ナレーションのどれもが突っ込みどころ満載で、名優たちの演技だけで持ちこたえてた印象。田中泯、柳楽優弥、清水富美加、高畑裕太あたりは特に印象に残った。
個人的な作品賞は「表参道高校合唱部!」
主演女優賞は「表参道高校合唱部!」の芳根京子
助演男優賞は「まれ」「リスクの神様」の田中泯
2015秋ドラマ 期待作品
視聴率的に(内容的にも)物足りない結果となった今年の夏ドラマ。
打って変わって秋ドラマは各局高視聴率を狙ったであろう充実したラインナップとなった。個人的に気になる・初回を観る予定のドラマをまとめてみた。
あさが来た(NHK・月曜~土曜8時 9/28スタート)
前作「まれ」がここ数年の朝ドラの良い流れを止めてしまった感があるので、本作で軌道修正をしてほしいところ。この枠は「ゲゲゲの女房」の成功以降、昭和初期あたりの時代を舞台にした作品が多数を占めているが、正直それもそろそろマンネリ化してきたように思う。かと言って現代を舞台にした作品はよっぽど脚本が面白くない限り求心力が弱い。そんな中で幕末という時代を初めてチョイスしたのは良い判断だと思う。「マッサン」の男性主人公&外国人ヒロインといい、やはり大阪制作の方が攻めてる。主題歌のチョイスや「びっくりポン」という謎ワードを流行語にする気満々なところなどは興醒めだが、キャスト・脚本・題材に関しては寧ろ期待値は高い。
偽装の夫婦(日テレ・水曜22時 10/7~)
破裂(NHK・土曜22時 10/10~)
禁断の医療サスペンスとのこと。この枠らしい社会派ドラマになりそう。
エンジェル・ハート(日テレ・日曜23時30分 10/11~)
出演:上川隆也
ここは漫画実写枠にするのかな?見たいというより時間帯的に見ちゃうと思う。
結婚式の前日に(TBS・火曜22時 10/13~)
同枠の「マザー・ゲーム」「ホテルコンシェルジュ」同様女性向けの作品になりそうだが、前2作が既視感を覚える設定だったのに対し、今作は結婚を前にして脳腫瘍が見つかってしまった主人公のドラマをコメディタッチで描くというのだから、オリジナリティーのある面白い作品になるのではという期待感がある。
相棒 season14(テレ朝・水曜21時 10/14~)
前シリーズの最終回が物議を醸したことも記憶に新しい中、反町隆史をキャストに迎え新たにスタート。当然数字は獲るでしょう。このドラマのファンでも反町のファンでもないが、どういう化学反応が起こるかは注目したいところ。
オトナ女子(フジ・木曜22時 10/15~)
篠原涼子と江口洋介による恋愛系ドラマは新鮮。他3人はちょっとお馴染みのメンツ過ぎるかな。正直タイトルやあらすじの時点ではイマイチ惹かれないのだが、脚本が「結婚できない男」の尾崎将也ということで、ともすれば傑作になり得る可能性も。
コウノドリ(TBS・金曜22時 10/16~)
人気漫画原作で、産婦人科医とピアニスト2つの顔を持つ男というこれまた変わった設定。昨今のドラマに欠かせない実力派俳優達が脇を固めるが、松岡茉優を2番手に持って来てるあたりが個人的ツボ。脚本は「ゲゲゲの女房」の山本むつみ。
下町ロケット(TBS・日曜21時 10/18~)
池井戸潤原作×半沢スタッフの強力タッグ。作品自体は過去にWOWOWで三上博史主演でドラマ化済。原作、スタッフ、キャスト、放送枠とヒットする条件は揃いまくっているだけにハードルが上がる。土屋太凰にはここで朝ドラヒロインのイメージを早々に払拭してもらいたい。
遺産争族(テレ朝・木曜21時 10/22~)
他にもまだまだあるのだけど、多過ぎるので観る可能性の高い物だけ。
連続テレビ小説 あさが来た Part1 (NHKドラマ・ガイド)
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キングオブコント2015 ファイナリスト決定!
数あるお笑い賞レースの中で個人的に一番好きなのがキングオブコント。
コントが好きというのもあるけど、準決勝まで進んだ芸人達による審査や司会のダウンタウンとのひな壇的なやり取りなど、他の大会には無い特徴によるところも大きい。
そして何よりファイナリストのチョイスの仕方が凄い。昨年大会は特にそれが顕著で、普通なら有名どころを何組か入れそうなものなのに、まるでバラエティー番組で見ないメンツばかりが揃った。これにはお笑いファンも「視聴率大丈夫なのか!?」と心配した(そして実際悪かった)。
そして今年のファイナリストが発表された。
・コロコロチキチキペッパーズ
・アキナ
・バンビーノ
・巨匠
・ロッチ
このメンツを見てまず思ったのは「去年よりかなり視聴者に寄せにいったな」ということ。決勝は10月11日の日曜日放送で裏に高確率でイッテQが来そうなので、さすがに去年のような視聴率を捨てたとしか思えない人選はできなかったか。
各ファイナリストについて個人的に思うところ。
4年連続決勝進出という大会唯一の記録を更新。初の決勝で披露した「イタトン」は歴代のファイナリストのネタの中でも出色の出来だったと思う。しかしその後の松竹芸能からの離脱や不倫スキャンダルなどYahooニュース案件ばかり先行してコントの実力があまり世間に浸透していない感があり、非常に勿体無いと思う。
昨年大会ではバンビーノとの対決で敗れ1本しかネタができなかったので、今回は2本ネタをできることを願う。優勝する実力は十二分にあるのだし。
2年ぶり3回目。かつて同じ松竹芸能所属だったさらば青春の光と同じ年に決勝進出したこともあり、未だに2組はライバル関係の印象がある。癖の無いわかりやすいコントをする一方で爆発力に欠けるため、前回出場時には最下位に終わってしまった。しかし今年の準決勝のネタでは新境地を開拓したらしく、期待ができる。
7年ぶり2回目。第1回大会で決勝進出して以来遂に返り咲き。初めてこのコンビを見たのは爆笑オンエアバトルで、非常にスタイリッシュで完成度の高いネタをしていたので結構衝撃を受けた。その勢いのままキングオブコント決勝進出するも、以降目立ったブレイクは無く、世間的には尾関が広島カープ芸人というイメージくらいしか無いのではないかと思う。しかしここに来て返り咲き、しかも準決勝では相当ウケていたと聞く。7年分のネタストックもあるし、優勝に一番近いコンビかもしれない。
- ロッチ
以下は2年連続決勝組。
- 巨匠
- バンビーノ
- アキナ
以下は初決勝組。
今回個人的に一番楽しみなコンビ。準決勝ではかなり変わりダネなコントをしたようなので、早くそれが見たい。ラララライ体操のイメージを大きく払拭するチャンス。決勝後に一番ブレイクするのはこのコンビかも。
えっ!まだ決勝出たこと無かったの!?というくらい毎年ファイナリスト予想では名前が挙がるトリオ。知名度、華、ネタの面白さを3つ兼ね備えた稀有なトリオなので、ここらで再評価されてほしいところ。
水10 花咲舞が黙ってない vs リスクの神様
毎クールなぜか題材が被る水曜10時のドラマ枠。
今回も「仕事の裏側を見せるドラマ」被り。
しかしそれぞれのドラマから受ける印象は全く逆と言っていい。
「花咲舞」の方は銀行に限定した世界観なのに対し、「リスク」の方は異物混入、恋愛スキャンダル、工業薬品流出など毎回扱う問題が違う。正直花咲は続編ということもあり、銀行とは関係無いストーカー問題を扱うなどネタ切れの感は否めない。その点はリスクの方に分があると言える。
出演者の豪華さもリスクは今クール1と言っていいと思う。主演は久々の民放ドラマ出演となる堤真一。その他にも小日向文世、吉田鋼太郎、古田新太、田中泯など各ドラマに一人いれば十分なくらいの濃いベテラン陣が勢揃い。そんな中で戸田恵梨香や森田剛といった若いレギュラー陣も好演している。
これだけの条件が揃っていれば、リスクの方が話題になってもおかしくないのだが、実際は花咲が今クールぶっちぎりの視聴率を獲得し、リスクはその半分にも満たない数字に留まっている。
これは何故なのか、とこの2つの内容を見比べた時、視聴率の明暗を分ける大きな要因の一つに「遊び」の部分の有無があるのではないかと思い立った。
花咲は銀行を舞台にしているとは言っても合間に花咲とその相方である相馬の漫才のようなやり取りだったり、花咲の父親が営む店の料理がやたら美味そうだったり、本筋と関係ない部分、つまり「遊び」の部分も目につく。
一方リスクは危機対策という仕事にのみ焦点を絞っており、「遊び」の部分は皆無と言っていい。1話からの一貫したストーリーとして西行寺と神狩それぞれの父親の話も並行して描いてるとは言え、そっちはそっちでシリアスだし。つまりリスクの神様は「流し見ができないドラマ」なのだ。
作品としてはリスクの方が濃密で見応えがあるのだが、ある程度集中力が必要になるため、スマホを弄りながら見るのには不向き。そういう意味では花咲の方が圧倒的に見やすいのである。せめて時間帯が違っていれば…。
ど根性ガエルに思う
今季見ているドラマの1つが松山ケンイチ主演の「ど根性ガエル」。言わずと知れた名作アニメの実写化。
ここ何年も「えっ!このアニメを実写化!?」というのが続いていたので、今作品の実写化は「ついに来たか」という感じで、個人的にさほど驚きは無かったです。
今クールは同じ日テレドラマに「花咲舞が黙ってない」と「デスノート」がありますが、安定感抜群の「花咲」や良くも悪くも注目度の高い「デスノ」と比べると、ど根性ガエルは若干影が薄く、視聴率も今季では良いとも悪いとも言えない中途半端さ。自局で実写ドラマ被りしてるのが仇となったような。
では「ど根性ガエル」が他2つより中身が劣っているかと言えば、決してそうではない。
寧ろ個人的には今季の日テレドラマでは一番面白いと思っている。実写ドラマとしてはキャスト的にもピョン吉の再現度的にも成功してる部類だと思う。
じゃあ何で数字が伸びないのかと言えば、原作のその後を描いたことが一つの原因なのではないかと思う。
自分がこのドラマを楽しめているのはどちらの世代でもないからだと思う。ど根性ガエルはなんとなく知っているけど思い入れは強くない。だから懇切丁寧に説明されなくてもキャラクターの役割はなんとなくわかるし、ヒロシがクズでもヒロインを演じる前田敦子がヘロヘロ声でもさほど怒りは湧いてこない。
ど根性ガエルという作品自体、明確な敵がいてそれと戦うわけでもなく(ゴリライモがそのポジションなのかもしれないが、少なくともこのドラマ内ではヒロシより常識人)ヒロシの成長やピョン吉との友情を見守るドラマなので、「花咲」に代表されるような悪人を成敗する痛快なドラマがウケている昨今においてはイマイチ伸び悩むのも仕方ないと言えるかもしれない。
とは言っても自分の中では「表参道高校合唱部!」や「民王」には及ばずとも、「リスクの神様」と3位争いをするくらい評価は高いので、最終回まで見守ります。みんな細けぇこたぁ良いからピョン吉に萌えようぜ!