火曜ドラマ「カルテット」の初回感想
放送前からドラマファンの間で話題になり、早くも「今年ナンバーワンドラマ」と評価する声も見られるTBSドラマ「カルテット」。内容としては恋あり、笑いあり、サスペンスありの大人向けドラマで、普通だったら同局の金曜ドラマ枠で放送されるべきなのだけど、裏でしょっちゅうジブリ祭りを開催する日テレに潰されるよりは、昨年大ヒットした「逃げるは恥だが役に立つ」で乗りに乗ってる火曜ドラマ枠に置いた方がいいという判断だったのだろう(初回視聴率は結局金曜ドラマ「下克上受験」の方が良かった訳だけど...)。
さてこのドラマ、前半は軽井沢の別荘で共同生活をする男女4人の会話劇が延々繰り広げられたりして掴み所が無く、途中で脱落した視聴者も結構いたんじゃないかと思う。しかし、ラストで実は松たか子演じる主婦に夫殺しの疑惑があり、満島ひかりはその夫の母親(もたいまさこ)から依頼されて松の行動を探っていたことが発覚し、物語は大きく動く。
録画をもう一回見直すと満島ひかりが「何か」を知っているかのような意味深な演技をしていたり、その他伏線となるポイントが複数あるので、一回見ただけでは全容を理解できないように意図的に作っていると思われる。こういったドラマは視聴率は苦戦するかもしれないが、録画率はおそらく高くなるだろう。昨年からリアルタイムの視聴率だけでなく、録画率も加味されるようになった流れを汲んだTBSの作戦と言える。
キャストでいうと満島ひかり×脚本・坂元裕二という組み合わせは「Woman」「おやじの背中」でも見たのだけど、その2つは正直「苦手な坂元裕二」「苦手な満島ひかり」だった。しかしこの「カルテット」では「良い坂元裕二」「良い満島ひかり」になっていると今のところは感じる。いつもは鼻っ柱の強い女性を演じることが多い彼女だが、今作では他のキャスト3人と比べて小柄で年齢も若いためか、マスコットキャラ的な自由人ポジションで伸び伸びやっているように見える。衣装も可愛くて似合っている。
そして高橋一生。2015年「民王」以降人気が急上昇したが、カルテットで早くもその人気を確固たるものにしたように思える。このドラマのコメディパートはこの人がほぼ担っていると言っても過言ではなく、坂元氏からの信頼の厚さが伺える。
松田龍平はデビュー以来ずっと映画の人だったのが、2013年「あまちゃん」以降ドラマでも見る機会が増えた。あまちゃんでは美保純、2016年「営業部長 吉良奈津子」では松嶋菜々子、そして今作では松たか子と、年上の女優と絡ませると良い味を出すという傾向があるように思える。
松たか子は「アナと雪の女王」での劇中歌が話題になったものの、テレビで本人が歌っているところを見ることは遂に叶わなかった。しかし今作では椎名林檎作曲のエンディングテーマでその歌声を惜しげもなく披露している。何気に坂元裕二は松たか子のデビュー曲の作詞を手掛けており、そういった縁もあって今回のオファーを引き受けたのかもしれない。
このように、単に「面白い」の一言では片付けられないクセ者ドラマが「カルテット」である。初回こそ視聴率は一桁スタートだったが、クチコミや録画率によっては今後大きく話題になる可能性も秘めている。とりあえず2回目以降も楽しみ。
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